イマドキ着物ガールズ

ファッションに着物を取り入れてみましょう

時代はまわる

私は大学時代国文学科の学生でした。中でも専攻していたのは平安時代。元々平安時代に興味はあったのですが、ゼミの紹介で、平安担当教授が「僕には夢があります。タイムマシンができたら、平安時代に行って紫式部とおしゃべりがしたい。僕の研究してきた平安の知識、ことば、文学が本当に意味のあるものなのか、ことばが通じるのか、是非確かめたい。そのために長生きするんです。過去に戻るために長生きするなんて、おかしな話ですね」と楽しそうに語ったのが決定打でした。

私も常々平安時代に行ってみたいと思っていたのです。ほんの数年前の過去には興味がありません。でも、平安時代には行ってみたい。教授の言うとおり、ものすごく前の過去に行くことは、もはや未来と呼べるのかもしれません。そうして私は、より平安時代にのめり込んでいくことになりました。ゼミは本当に楽しくて、どの授業よりも待ち遠しかった。同じ平安時代を向いている人たちと一緒にいると、なんの変哲もない教室でも平安時代にトリップできる気がしたものです。

しかも私の興味を加速させたのはそれだけではありません。ゼミの中に和服を着る人がいたのです。彼女は、とても粋な大学院生でした。しかもその着物の素敵なことと言ったら。よく「時代はまわる」と言いますが、彼女の着物はまさにそうでした。今風のごちゃごちゃしたものではなく、レトロで少し懐かしい感じなのです。私もレトロなものが好きなので、素直に素敵だなあと思っていました。周りは当たり前だけど洋服ばかり。その中に和服を着る人がいるのです。目立たないわけがありませんよね。しかもデザインもレトロ。逆に新しい気さえします。

昔のデザインが新しいなんて、ものすごく前の過去は未来と似ています。そっか、私にとって和服も平安時代も新しいんだな、未来なんだな、とそのとき気付きました。なんて素敵なゼミに入ってしまったんでしょう。それからの私はよくその院生にねだっては着物を着させてもらったり、一緒に着物市に行ったりしていました。そうそう、私は落語研究会にも入っていたんですよ。こちらも古典に思いを馳せ、そして着物を着る部活ですよね。つくづく私は古いものと和服が好きなようです。もちろん、落語には新作とか創作とかありますし、たくさん浮気もしましたけど、やっぱり行きつく先は回りまわって古典落語なんですよね。これも古いものほど実は新しく思えるっていうやつなんでしょうか。なんだかとっても不思議です。

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